2012年11月4日日曜日

ヒゴガマ、入荷しました。

肥後窯
鹿児島市郊外、平川町。
国道からすぐのところにこんな場所があるのか、という"猪でも出てきそうな"素敵な佇まいの窯元「肥後窯」のお話です。

初めて社長にお会いして陶器を扱いたい、とお願いした時
「見せられる器は無い。」
という言葉が返ってきました。

内心(うそつけ笑!)と思いましたが呑ん方の約束だけ取りつけてその場は退散。

無口で親分肌の社長の人柄を慕ってか、
アトリエには全く異業種のオヤジ達が文化サロンさながらに集まってきます。
土の床に椅子を並べ芋焼酎片手に JAZZやバイク、釣りの話に花を咲かせます。

アトリエには、いつの間にそんなことをしているのか、
組み立て途中のバイク、
塗装中の大型ストーブ、
深煎りコーヒー豆の入った焙煎用手網、
オーディオスピーカー・・・etc
が所狭しと並んでいます。
もちろん素焼きを終えた陶器も。

これは後から分かったことですが
社長はスランプ期(?)に入ると窯に火をいれるのを暫く止めてしまうそうです。
僕が最初にお会いした時も、
もしかするとこのスランプ期だったのかもしれません。

「これは絶対に売らない。」
社長が急に、「火が均一に回らなかった」という器を目の前でガチャンと割って見せてくれました。
器の断面は、火が均一に回らなかったコーヒー豆の断面にそっくり。
外見からはほとんど分かりません。

「自分が納得のいかない器は売らない」
これは彼が一貫して守っているルールのようです。

こんな頑固オヤジが一つ一つ丹精込めて焼き上げる、どこか知的で温かみのある器は量販店では手に入らない幻の一点物ばかり。

肥後窯、入荷しました。

※呑ん方=飲み会のこと。

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