2012年7月30日月曜日

シ・シンガマンガラジャ12世の物語

自家焙煎パパコーヒーのPOPの中でも
一際目を引く「マンデリン」のアイコン(左)。

お客さんからは「これ、誰ですか(笑)?」という質問をよく受けます。

これは、インドネシア・バタック族最後の王
シ・シンガマンガラジャ12世
(Si Singamangaraja XII)
という人物を描いたものです。

はい、ここでブラウザを閉じないで下さい(笑)。

コーヒーの主要な産地の歴史を紐解くと
「欧米の植民地政策と先住民族の対立」
というストーリーに出会うことが少なくありません。

中でも店主は、特にオランダとバタック族の話に魅かれています。

バタック人は、
現在はインドネシアの学界や財界インテリ層の多くを占める
知的・文化レベルの高い民族である一方で、
19世紀末までは伝統文化として「食人」の風習があったことで有名です。
言ったら「人食い人種」でした。
お腹を満たすためではなく、あくまで儀式としての食人だったようですが・・・。

「当時バタックの地を探索しようとした欧米人の多くは、生きて帰ることがなかった。」
というから、ガクブルでもあり、とても気になる民族です。

このバタック族のラストエンペラーが
シ・シンガマンガラジャ12世。
6部族からなるバタック族を束ねて
植民地化を進めるオランダ軍からバタックの尊厳を守るため戦うこと20余年。

オランダの勝利により、インドネシアは世界的なコーヒーの産地となりましたが
シ・シンガマンガラジャ12世は
現代でもインドネシアのお札にプリントされるほど
英雄視されています。

オランダとバタックの対立について
詳細はコチラのブログから。
「バタック族 ~ 国民の英雄とキリスト教化」

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自家焙煎パパコーヒーの「マンデリン」は
ブルーバタックという豆を使っています。
そう、バタック族のコーヒーです。

シ・シンガマンガラジャ12世が戦争に勝っていたら
きっとこのおいしいコーヒーは飲めなかったでしょう。

それでも自家焙煎パパコーヒーは
シ・シンガマンガラジャ12世に敬意を表し
彼をブルーバタックのアイコンとして描いてみました。
表情に少しの憂いを込めて─。

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